先を行く君の後ろ姿はもう見えない。残された僕はスタート地点から数メートルのところで足掻いている。気づいた時にはもう手遅れで、いつの間にか取り残されて孤独が脳を支配する。
ずっと先を走る君からも僕のことは見えないだろう。もう存在さえ忘れられているかもしれない。
結局、僕はどうしたいんだろう?君を追った先にあるゴールって何?そもそもゴールがあるのかどうかも分からない。
差し伸べられた手に感情はない。
先を行く君の後ろ姿はもう見えない。残された僕はスタート地点から数メートルのところで足掻いている。気づいた時にはもう手遅れで、いつの間にか取り残されて孤独が脳を支配する。
ずっと先を走る君からも僕のことは見えないだろう。もう存在さえ忘れられているかもしれない。
結局、僕はどうしたいんだろう?君を追った先にあるゴールって何?そもそもゴールがあるのかどうかも分からない。
差し伸べられた手に感情はない。
ひとつ年下の彼女は会話をしている時、その目は僕の目ではなく目の奥にある本当の僕をじっと見ている。僕たちはどこからやり直せばいいのだろう?初めて会った日?付き合い始めた日?君がいないこの世界なんて、出勤前にホットコーヒーが飲めない12月の朝のように冷たい。目の奥の深海の水は今にも涙となって頬を濡らしそうだ。このやり場のない思いを僕はどこへ吐き出そうか?
眠れない深夜2時、世界は朝に向かってゆっくりと急速に溶け始める。薄汚れた人形は私に話しかける。
「蟹の町へ行かないか」と。
私の本能は危険を察知し、頭の中で警鐘を鳴らす。行ってはいけない、取り返しのつかないことになるぞ、と。まるで床に落として砕けてしまったファンデーションのように。生きている蟹、死んだ蟹、まだ動く蟹、電池切れの蟹…そこで目にするはずだった光景は人形だけが知っている。私はまだ眠れない。そのまま世界は溶けきって乾いた太陽が登り始める。薄汚れた人形がまたこちらを見ている。
「お前には、何もない」
私には、何もない。