何回も同じ夢を見て、夜中にうなされ飛び起きる。今日は時計の針が時間を叩く音がやけに大きく感じる。
伝えたいことがあるのに、言いたいことがあるのに。伝えられない、言葉にして声に出せない。いつだって僕は僕自身に負ける。ゆっくりゆっくり自分の内側から、溜まった毒にちくちくと殺されていく。
何回も同じ夢を見て、夜中にうなされ飛び起きる。今日は時計の針が時間を叩く音がやけに大きく感じる。
伝えたいことがあるのに、言いたいことがあるのに。伝えられない、言葉にして声に出せない。いつだって僕は僕自身に負ける。ゆっくりゆっくり自分の内側から、溜まった毒にちくちくと殺されていく。
「ちょっとコンビニ行ってくるね」そう言って出て行った君が戻ってこなくなってから何日経っただろうか?僕はベッドの上で膝を抱えていて、頭を抱える手がないことに困っている。開けっ放しの窓から風が吹いてカーテンが揺れる。思い出の中でふわりと髪が揺れる。思い出の中の君は言う。
「自分にとっては大切な何かも他人にとっては無価値だったりする。造られた人格を自分で壊さなければ、これからもずっと造り手の為の君になってしまう。必要なものは寛容さと執拗さ。」
君を失うのが怖いから、壊れてしまうのが怖いから、ヒビが入らないように外側をそっとなぞるだけ。偽りの優しさは、自己満足でしかないのに。
まただ、また目眩がする。どうしてこんなに寒いんだろう?どうしてこんなに冷たいんだろう?冬はもう終わったのに、ちっとも暖かくなんてならない。今この瞬間にも世界は先へ先へと、前は前へと進んでいるのに、僕だけがあの日からずっと立ち止まったままだ。
いつからか、スタバの甘いやつが飲めなくなり
いつからか、深夜アニメを追いかけるのをやめ、
いつからだろうか?君との連絡も途絶えた。
昨夜のことも10年後のことも覚えていない。覚えられない。
脱ぎ捨てられた服、机の上に置かれたままの空き缶、散らかった部屋の中でそれらを片付ける余裕が、今は無い。
僕はずっとこのままなんだろうか?窓を開けると雨の匂いがする。ここは地獄だ。
夢を見ていたようだ、長くて悪い夢を。あーあ、また変な時間に目が覚めてしまったな、と僕は思う。まだ残っている悪夢の不快感を拭うべく、台所へ行きコップ一杯の水道水を一気に飲み干す。今ここにある不快感も不安も恐怖も水道水と一緒に胃の中へ送り込まれて二度と戻ってこなければいいのに。一体いつからこんな人間になってしまったんだ?私が私のままでいられるのはいつまでだろう?
何もかも嫌になってしまった深夜2時、こっそり家の外へ飛び出す。
街ごと寝静まっている。信号機と自分だけが息をしているようで、今のこの瞬間だけでも世界の実権を握っている感覚がして嬉しくなる。道路の真ん中でスキップなんかしちゃったりして、長距離トラックにはねられて終わり。
そしてリスポーン、3鯖上層区。相棒よ、人生はこれから。