日が沈むのは西

白昼夢の中で君の姿が目に浮かぶ。長い髪、白い肌、左右で形の違う耳、右目の涙ぼくろ、薄い唇、香水の匂い。胸の奥が痛む。あぁどうしてこんなに懐かしくて悲しい気持ちになるんだろう?失った過去はもう取り戻せないのに、必要なピースはそこに置き去りにしてしまったままだ。倦怠感が全身を襲う。もう何もわからない。僕が見ていた君はもう過去の儚い残像に過ぎない。